りんかくリング

ブランドの知名度や宝石の大きさによらない結婚指輪の価値について考え、結婚指輪に本来込められた願いである「人と人との強い結びつき」を形にしました。

 

微妙に形状の異なる2つのゆがんだ楕円形は、夫婦の左手薬指の輪郭を型どったものです。

自分の指の輪郭が相手のリング形状を決定づけていて、単独では成立しない相互補完的なデザインが夫婦の関係性を象徴し、小さなリングそのものが人生のパートナーの存在を想起させ、自分の指に相手の輪郭を重ねるという行為が結婚の価値を意味する、という想いを込めました。

 

また、指の輪郭をより明瞭化するため、なるべく半径方向に高く、厚みを抑えた形状にしました。

そのため、一般的な指輪の製法である「鋳造」ではなく、より高い強度を与える事ができる「鍛造」を採用し、厚さ1.2mmの極薄の指輪を実現しています。指輪の側面は、職人が叩いた手仕事の跡をそのまま残し、時々触れてみたくなるような少し荒々しい表情としました。

2016.07